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検査科

研究検査科

【研究検査科の紹介】

 当院研究検査科は医師1名(研究検査科長 兼 臨床研究部長)と臨床検査技師10名で構成しています。業務内容は医師から依頼があった臨床検査を行うことで患者さんの病気の診断および治療を行う上で必要な検査結果を提供しています。当院で実施している臨床検査を以下に示します。これから臨床検査を受ける方に安心して検査を受けていただけるように、また少しでも臨床検査のことを知ってもらえる機会となれば幸いです。

【臨床検査技師と学会認定技師】

 臨床検査に従事する我々は患者さんの検査結果を正確に報告する性質上、自己研鑽が必須となり、各種研修会や学会に参加して臨床検査の知識や最新の情報を学び、学会などでの学術発表も積極的に行っております。また学会認定(特定の臨床検査分野について高度な知識と技術を持つと各種関連学会から認定された臨床検査技師のこと)も積極的に取得し、専門性を高めることで患者さんに安心、安全に検査を受けていただくことを第一に考えております。

当院所属臨床検査技師の認定取得状況(2020年5月現在、重複取得者あり)
日本超音波検査医学会 認定 超音波検査士消化器 1名
      循環器 1名
      体表 1名
      検診 1名
日本乳がん検診精度管理中央機構 認定 乳房超音波認定技師 1名
日本臨床衛生検査技師会 認定 一般検査技師 1名
日本臨床細胞学会 認定 細胞検査士 1名
国際細胞学会 認定 細胞検査士 1名
日本輸血・細胞治療学会 認定 輸血検査技師 1名
日本臨床検査同学院 認定 緊急検査士 4名
日本臨床検査同学院 認定 二級臨床検査士(循環生理学) 1名
日本臨床検査同学院 認定 二級臨床検査士(微生物学) 1名
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者(国家資格) 1名
有機溶剤作業主任者(国家資格) 1名
ISO内部監査員 2名

総合検査室

総合検査室では患者さんから採血した血液や尿を用いて、血液学的検査、生化学的検査、免疫学的検査を行っています。

【血液学的検査とは?】

わたしたちのからだを流れている血液は、赤血球、白血球、血小板といった血球成分、そして凝固因子やその他蛋白質などを含む血漿とよばれる液体成分から構成されています。血液検査では、これらの成分を以下の方法で調べ、病気の有無や治療効果の判断を行っています。

血球算定(CBC)

自動血球分析装置を用いて、赤血球、白血球、血小板といった血球成分の数や割合、内容物、大きさや構造の異常を検査します。

赤血球

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細胞が活動するために重要な酸素を運搬する働きを持っています。

数が少なかったり、内容物であるヘモグロビンに異常があると貧血を生じるなどの問題があります。





白血球

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病原体などの外敵をやっつける免疫の役割を担っています。

白血球に異常があると感染症にかかりやすくなるなどの問題があります。





血小板

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ケガなどによる出血時に、血液を固めて止血する役割を担っています。

血小板に異常があると出血しやすく、血が止まりにくいなどの問題があります。





血液像(白血球分類)

血液を薄くのばして染色をした塗抹標本を作成し、顕微鏡を用いて実際に血球を観察して、白血球を種類ごとに分類します。異常な血球の有無や割合、状態の把握を行い、病気の診断や治療効果の確認等に役立てます。

凝固線溶検査

液体成分である血漿には、ケガなどによる出血時に血液を固めて止血する役割(凝固)を持つ血小板や凝固因子などの成分が含まれています。また、固まった血液を溶かす役割(線溶)を持つ成分も存在します。この検査では自動分析装置を用いて、これら凝固と線溶に関わる成分の機能(はたらき)や濃度を測定し、出血傾向や血栓傾向のある疾患の診断や治療効果の確認等に役立てます。

その他

血球をつくっている骨髄の異常を検査する骨髄検査も実施しています。

【生化学的検査とは?】

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生化学検査は、血液や尿に含まれている様々な物質や酵素な どを分析することで、どの部分に異常があるのか?炎症があるのか?全身の栄養状態はどうか?などの健康状態を知ることができる重要な検査です。

当院では自動分析装置を導入し、精度の高い検査結果を迅速に提供できるように心掛けています。また、夜間・休日の緊急時にも検査を実施し、診断に必要な検査結果を臨床医に報告できる体制を整えています。

主に以下の検査項目を測定しています。



肝機能検査

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肝臓と関係のある検査の総称で、機能障害の程度を示すものや、病態を反映するものがあります。
γ-GTP、AST、ALT、ビリルビン、アルブミンなどの検査があります。

腎機能検査

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老廃物の処理などに大きな役割を果たしている腎臓の検査です。

クレアチニン、尿素窒素(BUN)、電解質などの検査があります。

脂質検査

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 脂質異常症(高脂血症)の診断基準となる検査です。総コレステロール、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、中性脂肪などの検査があります。


※その他にも様々な項目の検査を行っております。

【免疫学的検査とは?】

免疫学的検査では患者さんより採取した血液から、腫瘍マーカーや各種ホルモンなどの分析を行い、病気の有無や治療の効果を調べています。また、感染症の検査としてウイルス抗原や、体内で作られる抗体等(体内に侵入した細菌やウイルスに対して作られるタンパク)を分析し感染の有無を調べています。

腫瘍マーカー

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体内に癌ができると、その癌に応じて血中に特異的に上昇する物質があり、それを腫瘍マーカーと言います。この腫瘍マーカーを検査する事で、癌の発見や、抗がん剤の治療効果を調べたりする事ができます。


ホルモン検査

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ホルモンは臓器等から分泌され、身体の様々な働きを調節する物質です。各種ホルモンを分析することで病気の有無や、治療の効果を調べる事ができます。代表的な項目としてTSH、FT4、FT3、NT-ProBNPなどの項目があります。








感染症検査

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B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス、HIV、梅毒、などに対する抗原や抗体が血液中に存在するかを調べ感染の有無や感染の状態を検査します。

一般検査室

尿定性検査

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一般検査室では主に尿検査を実施しています。腎臓や尿の通り道(尿管、膀胱、尿道)の状態および全身状態を大まかに把握することができます。

尿沈渣検査

尿の中には一見、何も含まれないように見えますが、実はいろんな“有形成分”があります。顕微鏡を使ってこれらを見つけ出す検査を「尿沈渣検査」と呼んでいます。

・正常な人に見られる有形成分もあれば、病気のサインとなる有形成分もみられることがあります。この検査で異常な所見が見つかれば、さらに精密検査につなげることができます。

輸血検査室

ある患者さんが何らかの原因で体の中の血液、特に赤血球が足りなくなった状態(貧血)になったとしましょう。このとき別人の血液を入れることで貧血症状の回復が見込まれます。これを「輸血」と呼んでいます。この時、患者さんに入れる赤血球はなんでもかんでもとりあえず別人の赤血球が入れば大丈夫・・・ということはありません。このとき必要になってくるのが“輸血検査”です。輸血検査室では大きく分けて3つの検査を行っています。

血液型検査

患者さんの血液型をあらかじめ知っておくことで、輸血が必要になった時、慌てずにその患者さんに合った血液を準備して輸血することができます。当院では輸血する際に必要なABO式血液型とRh式血液型を検査しています。

①ABO式血液型

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A型、B型、O型、AB型の4つに分けられます。これらを検査しています。輸血の時に最も重要な“血液型“となります。

ちなみに世間で言われている“血液型性格判断”や“血液型相性判断“はこの検査ではわかりません・・・(笑)。

②Rh式血液型

Rh式血液型は全部で「C、c、D、E、e」の5つの型がありますが、輸血時に特に重要になるのが「D」です。「私、Rhマイナスなんですよ!」なんて話を聞くことがあると思いますが、これは5つの型の中の「D」を持っていない人のことを一般的に“Rhマイナス”と呼んでいます。この「D」を持っているか?持っていないか?を検査しています。ちなみに日本人においてRhマイナスの頻度は0.5%(200人に1人)と言われています。

※上記以外にも血液型はたくさん存在し、現在は37種類あると言われています。

(国際輸血学会認定の血液型)

不規則抗体検査

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不規則抗体って何???・・・一言でいえば先にお話ししたABO式血液型以外の血液型に対する抗体のことで、これを検査することを“不規則抗体検査と呼んでいます。不規則抗体は輸血の際に輸血副作用を起こすものがありますので、抗体の有無を知っておくことで、これに対応した血液を前もって準備することができ安全に輸血してもらうことができます。

交差適合試験(クロスマッチ)

先ほど輸血とは“別人の血液を患者さんに入れること”とお話ししましたが、実際は献血で得られた血液を赤十字血液センターで加工処理した濃厚赤血球液(RCC-LR)という血液製剤を購入しています。 交差適合試験???交差って・・・何を交差するの???なんて思われたかも知れませんね。  交差適合試験とは患者さんの体の中に別人の血液が入ったとき、予期せぬ副作用が起こるのであらかじめ試験管の中で混和(交差)してみることです。患者さんの血液と赤十字血液センターから購入した血液を試験管の中で混和(交差)してみて、凝集や溶血が起こらないか?を確認しています。 当然ですが、輸血するために購入する血液製剤のABO式やRh式血液型が合ったものを発注します。輸血を必要としている患者さんひとりひとりが安心安全な輸血が行えるよう検査を行っています。

細菌検査室

細菌検査とは、患者さんから採取した検体(喀痰・尿・便・血液など)から感染症を引き起こしている原因菌を見つけ出す検査です。菌を見つけ出してから、どの抗菌薬がどの程度効果があるのかまでを調べるため、検体が提出されてから結果報告まで約3~7日程度かかります。

一般細菌検査

①顕微鏡検査

スライドガラスに検体を直接塗りつけて、グラム染色という染色方法で菌を大きく4種類に染め分けます。顕微鏡で観察し、感染症を引き起こしている起因菌を推定します。

②培養検査

細菌の発育に必要な栄養素などを寒天に溶かして作られた培地に検体を塗り、ふ卵器(37℃)で18~48時間かけて菌の培養を行います。培地上に形成された菌の集落(コロニー)を観察し、病原菌を疑うコロニーを認めた場合は、次の同定検査・薬剤感受性検査へと進めます。

③同定・薬剤感受性検査

顕微鏡検査ならびに培養検査の結果から、原因菌とされるコロニーに対して同定・薬剤感受性検査を行います。装置に菌液や専用の測定カードをセットすることで、菌名と薬剤感受性の判定を同時に行うことができます。

迅速抗原検査

一般細菌検査と比較して操作が簡便であり、10~30分ほどで判定可能な迅速検査も行っています。当院で行っている迅速検査は以下の通りです。

インフルエンザウイルス A群β溶血レンサ球菌抗原
ノロウイルス 尿中肺炎球菌莢膜抗原
便中ロタ・アデノウイルス 尿中レジオネラ抗原
アデノウイルス 肺炎球菌細胞壁抗原
ヒトメタニューモウイルス マイコプラズマ抗原
RSウイルス クロストリジウム・ディフィシル毒素/抗原

抗酸菌検査

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抗酸菌は、ヒト型結核菌を代表とするMycobacterium tuberculosis と、Mycobacterium avium complex に代表される非定型抗酸菌(非結核性抗酸菌)に大きく分けられます。当院では主に喀痰を対象に抗酸菌検査(塗抹検査・培養検査)を行っており、同定検査・薬剤感受性検査を含めた最終報告までは8週間以上かかります。

病理検査室

病理検査室では大きく分けて2つの業務を行っています。

病理組織検査

たとえば、胃に腫瘍ができたとしましょう。

まずは内視鏡検査(胃カメラ)を行った際に腫瘍部分の組織を少しだけ採取(生検と言います)します。ここでどんな腫瘍かを診断するのが“病理組織診”です。この病理学的診断で「癌」の診断がついた場合、この腫瘍部分を手術で取り除き、取り除いた腫瘍がどんながんであったか?どのくらい浸潤しているか?などを診断するのも先ほどと同じ“病理組織診”です。

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実際は採取した材料から臨床検査技師が病理標本を作製して”病理組織標本”(プレパラートとも言います)というものを作成します。このできあがった”病理組織標本”を医師(病理医)が顕微鏡で見て病変を診断します。

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細胞診検査

たとえば子宮がん検診を受けたとしましょう。

患者さんから細胞を得るためにブラシで癌が発生しやすい部位を擦過(擦ること)して得られた“細胞”そのものをみて正常細胞か?または癌になる可能性のある細胞か?がん細胞か?を判定する検査が細胞診検査です。

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当院で主に行っている細胞診検査は以下の通りです。

◎尿や喀痰、胸やお腹に水がたまった(胸水、腹水)場合にこれらを採取して、中にいる細胞を検査します。

◎乳腺・甲状腺・耳下腺などの皮膚の下にある臓器は、病変部に針を刺して吸引した細胞を検査します。

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生理機能検査

患者さんの病気はいろいろな検査結果をもとに医師が総合的に診断し治療を行います。その一端を担っているのが検査室です。生理機能検査室では、体の機能を直接調べることによって診断に必要な情報を提供しています。主に心電図・脳波・肺機能・超音波検査・神経伝導検査・等を行っています。

睡眠時無呼吸検査

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超音波検査

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 乳がんになる危険性は30歳代後半から40歳代にかけて急増します。日本人女性の 12人に1人 が乳がんを発症しています。

当院の生理機能検査室では日本超音波医学会から認定を受けた超音波検査士が中心となり、患者さんの診断や治療に役立つ情報を提供できるよう日々努力し、検査の質の向上に努めています。

検査説明

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検診にてオプション検査として肺年齢・血管年齢検査を追加された方で、希望者に結果の説明を行っています。検査によりご自身の実年齢との差がどのくらいあるのかを知ることで、生活習慣を見直すきっかけとなります。